知っておこう!獣医師が解説するチワワがかかりやすい病気3点

小さい体に愛らしい大きなウルウルお目目といった、思わず抱きしめたくなるほど可愛い外見がチャームポイントのチワワは、大手ペット保険会社の人気犬種ランキングでも第2位の座をキープし続けているという人気犬種です。

そんなチワワの平均寿命は13歳~15歳ほどといわれていますが、長生きだと20歳以上生きる例もあるとされています。

大切な家族の一員であるチワワに心身ともに元気で長生きしてもらうために、チワワがかかりやすい病気についてぜひ知っておきましょう。

かかりやすい病気① 気管虚脱

気管は鼻や口と肺を繋ぐ、空気の通り道でありホースのような形となっています。

そのホースのような形が何らかの原因で押しつぶされたように変形してしまい、空気の通り道が狭くなってしまう病気です。原因は現時点では解明されていませんが、遺伝による影響や肥満、首輪を引っ張るなどの物理的な気管の圧迫も影響しているのではないかと考えられています。症状としては呼吸が苦しそうだったり、「ガーガー」というアヒルの鳴き声のような異常な呼吸音が見られるため、そのような場合は可能ならば動画を撮影した上で動物病院に行きましょう。

治療方法は、軽度であれば咳止めや気管支拡張薬などの投薬治療が行われますが重度になると気管の形を維持するための外科手術を必要とする場合もあります。原因が解明されていないため明確な予防法は無いのですが、肥満にさせないことや首輪ではなくハーネスを使用するなどの喉への刺激を可能な限り避けるようにしましょう。

かかりやすい病気 ② 膝蓋骨脱臼

後ろ足の膝蓋骨、いわゆる膝のお皿が正しい位置からずれてしまったり外れてしまう病気です。原因は先天性なものと後天性なものの2つがありますが、チワワのような足が細い小型犬はどちらも注意が必要です。

先天性の場合は、親犬が膝蓋骨脱臼持ちの場合、高確率でその子犬も遺伝によって膝蓋骨脱臼になりやすく、幼犬の時から「膝のお皿が外れやすい」などの指摘を健診時に獣医師から受けることが多々あります。後天性の場合は、階段からの落下や高い所からのジャンプなどの外からの強い衝撃によって起こります。症状としては、どちらも足をあげて歩いたり、スキップのような歩き方を行うなど比較的オーナーさんが気づきやすいものが挙げられます。

治療方法は根治を望むならば専門的な整形外科手術となりますが、状態によっては手術を実施せずにサプリメントなどで様子を見る場合もあります。予防法としては階段からの落下などの事故を防止することだけではなく、膝に負担をかけないようにフローリングにはマットを敷く、ジャンプをさせないようにするなどの日常的な配慮が必要となります。

かかりやすい病気 ③ 僧帽弁閉鎖不全症

心臓は左心房、左心室、右心房、右心室と4つの部屋に分かれており、全身に送られた血液は静脈を通って右心房に戻され、右心房⇒右心室⇒肺⇒左心房⇒左心室⇒動脈を通して再び全身へ送られています。

この流れにて逆流が起こらないように左心房と左心室の間に「僧帽弁」、右心房と右心室の間に「三尖弁」というドアのようなものがありますが、そのうちの「僧帽弁」が変性して左心室⇒左心房へ血液が一部逆流してしまう病気です。

原因は老化による僧帽弁の変形や歯周病菌が僧帽弁に付着することによって菌が増殖して弁に塊を作ってしまい弁の働きを阻害することなどが考えられています。症状としては頻繁な咳や疲れやすくて散歩の途中に座り込んでしまう運動不耐性、心雑音などが挙げられます。

治療方法は、軽度であれば血管拡張薬や利尿剤、強心薬などの投薬治療が行われますが根治を望むならば専門的な心臓外科手術となります。予防法としては心臓への負担を減らすために適性体重を保つことや歯周病菌を減らすための日常的な歯磨きなどのお口のケア、早期発見のための定期的な健康診断が挙げられます。

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