「小型犬・超小型犬にお散歩はいらない!」という言葉を耳にしたことがあるオーナーさんもいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は小型犬・超小型犬にとってのお散歩の必要性、犬種ごとの理想的なお散歩の距離や回数、お散歩の適切な時間帯について解説します。
また、お散歩のしすぎは良くないのか?、散歩に行きたがらない時の対策についてもご紹介しますので、是非参加にしてください。
目次
小型犬・超小型犬の犬種別、お散歩の理想的な距離や回数
まず、小型犬・超小型犬にはお散歩は必要なのでしょうか?
また、同じ小型犬・超小型犬といっても、その犬種がどんな用途で作られたかによって、必要な運動量が犬種ごとに違ってくるのです。
ただ、犬種だけではなく、愛犬の年齢や体調、持病や性格によっても適切なお散歩の量は変わってきます。
そのため、愛犬の様子をよく観察しながら毎日のお散歩の距離や時間を決めるようにしましょう。
小型犬・超小型犬にお散歩の必要はないは嘘!
小型犬・超小型犬の愛犬のなかには、室内の運動で適切な運動量をまかなえる子もいますが、適度な運動は小型犬・超小型犬にも必要です。
また、犬も人と同じで外の空気を吸ったり、色々なニオイを嗅いだりしながらお散歩することでストレス解消にも繋がります。
さらに、毎日のお散歩で人や他の犬と接することにより社会性が育ち、楽しくコミュニケーションを取ることができるようになったり、オーナーさんとコミュニケケーションをとることにより信頼関係も深まるのです。
このように、小型犬・超小型犬の愛犬にとって、お散歩には沢山のメリットがあります。
犬種ごとのお散歩の理想的な距離や回数
トイプードル
トイプードルは、ジャパンケネルクラブ(JKC)で愛玩犬に分類されています。
しかし、もともとプードルは泳ぎが得意で、鴨猟の回収犬として重宝されていた犬種であり、その後、フランスやイギリスなどで小型化が行われ、今日トイプードルのような愛玩犬となりました。
そのため、トイプードルは愛玩犬ですが、1回あたり0.5〜1kmを1日2回、時間にすると1回15~30分のお散歩が理想的です。
ただ、活動的な性格の子は30分のお散歩では満足しないこともあります。
そのようなときには、散歩時間や距離を少し長くしてあげましょう。
そのようなときには、散歩時間や距離を少し長くしてあげましょう。
ただ、トイプードルは骨折や膝蓋骨脱臼を患いやすいため、骨と関節に負担をかけないよう、愛犬の様子を確認しながら徐々にお散歩の時間や距離を増やすことが大切です。
チワワ
チワワは超小型犬でも最小サイズの犬種のため、チワワのオーナーさんのなかには「お散歩は必要ではない!」と思っているかたもいらっしゃるかもしれません。
チワワは愛玩犬に分類されますが、活発な性格のため、ストレスが溜まると「吠える」「噛みつく」といった問題行動に繋がることがあります。
そのため、ストレス発散のためにも毎日お散歩に連れて行ってあげるようにしましょう。
また、肥満を防ぐためにもお散歩は大切です。
チワワの細い骨や関節に負担をかけないよう、お散歩は1日1〜2回、1回10〜20分程度にしてください。
雨の日などお散歩に連れて行けない日には、運動不足やストレス解消のためにも、室内で遊んであげるようにしましょう。
ポメラニアン
ポメラニアンや豆柴は愛玩犬でもなく、猟をするため猟犬としても作られていない、番犬として改良された犬種です。
そのため、お散歩は愛玩犬と猟犬の中間程度の1日1~2回、1回30〜40分を目安に連れて行くようにしましょう。
ただ、ポメラニアンは膝蓋骨脱臼や心臓病を患いやすいため、お散歩のさせ過ぎには注意してください。
マルチーズやヨークシャテリアなど大人しい愛玩犬
マルチーズやヨークシャテリアなど愛玩犬に分類され、大人しい性格の犬種は、室内で穏やかに過ごしてもストレスを感じることが少ない傾向です。
ですが、気分転換やオーナーさんとのコミュニケーションのためにも、1日1〜2回、1回10〜20分のお散歩に行ってあげましょう。
ただ、雨の日など外に出れない日は、愛犬が遊びたそうにしていなければ、室内で穏やかに過ごすなど、無理に運動させる必要はありません。
カニヘーン・ダックス
上記のような愛玩犬と、猟をするために作られたダックスでは、同じ超小型犬でも活発さや運動量がかなり違います。
ダックスのように、番犬や狩猟犬、牧羊犬などの目的として改良された犬種は、愛玩犬として改良された犬種よりもお散歩の時間を長めに取ることが理想的です。
カニヘーン・ダックスも運動量が多く、動くのが大好きなため、お散歩は1日2回、30分以上連れて行くようにしてあげましょう。
小型犬・超小型犬に最適なお散歩の時間帯
小型犬・超小型犬の愛犬も、お散歩は可能であれば毎日行ってあげるようにしましょう。
理想としては1日2回に分けるのが良いですが、時間をつくるのが難しい場合や天候が悪い場合には1日1回にまとめてお散歩をしても大丈夫です。
夏場、オーナーさんは涼しい時間帯に愛犬をお散歩に連れて行っているかと思いますが、涼しい時間帯であっても、炎天下のアスファルトは想像以上に高温になっています。
さらに、小型犬・超小型犬は体高が低く、アスファルトとの距離が近くなるため、中型犬や大型犬に比べ、アスファルトの熱をより感じやすいのです。
ですので、夏場のお散歩は、小型犬・超小型犬の愛犬が熱中症にならないよう、アスファルトの熱が冷めている、日が登るまでの時間帯と、日が沈んでから2時間後の2回行くようにしてみてください。
また、高温のアスファルトでは、肉球がやけどを起こすことがあるため、お散歩の時間帯を調整して炎天下の路面を歩かないようにすることが大切です。
一方、真冬の凍結した路面は想像以上に冷たく、肉球が長時間触れ続けると凍傷になる危険性があります。
そのため、真冬は冷え過ぎた路面を避けるために、気温が高い日中にお散歩をするのが理想的です。
もし、オーナーさんの仕事の都合で、日中のお散歩が難しい場合には、土の上を歩くお散歩コースを選び、冷えた路面を歩かないよう心がけましょう。
逆にお散歩のしすぎも良くない!
オーナーさんも長時間かけて長い距離を歩くと、足が痛くなったり、呼吸が荒くなったり、動悸がすることはありませんか?
犬も人と同じで、お散歩しすぎなどの過度な運動は体に負担をかけることがあるため注意が必要です。
お散歩のしすぎに注意しよう!
小型犬・超小型犬は骨が細いため、長時間のお散歩により骨や関節に負担がかかる場合があります。
特に、小型犬・超小型犬の中でも愛玩犬に分類される犬種は、骨格構成や筋肉の性質上、もともとハードな運動をするように改良されていないため、他の犬種より気をつける必要があるのです。
また、心臓病を患いやすいため、長時間のお散歩などといった過度な運動は避け、できるだけ心臓に負担をかけないように注意しましょう。
お散歩のしすぎを見極めるサインと対処法
以下のようなサインがみられたら、お散歩しすぎの可能性があります。
無理に歩かせずに抱っこをしてあげて、家にすぐ帰るようにしましょう。
・ハアハアと呼吸が速くなる
・首を伸ばして息をしている
・舌が青っぽくなる
・歩く速度が遅くなる
・ふらついている
・その場から動かなくなったり座り込む
・家の方向に行き(帰り)たがる
・首を伸ばして息をしている
・舌が青っぽくなる
・歩く速度が遅くなる
・ふらついている
・その場から動かなくなったり座り込む
・家の方向に行き(帰り)たがる
散歩をしすぎる(過度な運動をする)と、体で消費される酸素の量が多くなります。
そのため、酸素を補おうとハァハァと呼吸が速くなったり、息を吸おうと首を伸ばして呼吸したりといった様子が見られるようになるのです。
そのような状態でさらに運動を続けると、血液中の酸素濃度がさらに下がり、舌が青っぽくなるチアノーゼの症状が現れ始めます。
また、歩き過ぎて四肢に痛みを感じたり、疲れてしまうと、その場から動かなくなったり、座り込んでしまったり、家に帰りたがったりという行動も見られるようになるのです。
お散歩を嫌がる時の対策
愛犬がお散歩を嫌がっているのに、リードを引っ張って無理やりお散歩に行くと、余計にお散歩が嫌いになってしまうこともあります。
ここでは、お散歩を嫌がる時の対策についてお伝えします。
抱っこをしてお散歩をする
お散歩を嫌がる時には、抱っこをしてお散歩に連れて行ってあげましょう。
外の空気を吸ったり、景色を見るだけでも小型犬・超小型犬の愛犬のストレス解消になります。
また、お散歩の途中で時々下ろして、地面などのニオイを嗅がせてあげたりすることで、お散歩の練習にもなるのでおすすめです。
さらに、抱っこしてのお散歩でも、お友達犬が出来る場合があります。
お友達犬と会えたときに友好的に接してもらえると、その楽しい経験から自らお散歩に行くようになるかもしれません。
お散歩中に遊びを取り入れる
運動は好きなのにお散歩が嫌いという場合には、お散歩中に「持って来い」遊びなど、小型犬・超小型犬の愛犬の好きな遊びを取り入れてみましょう。
お散歩のときには、必ずおもちゃとフードを持っていき、小型犬・超小型犬の愛犬にとって楽しい時間をつくってあげる工夫が大切です。
嫌がっている時には無理にお散歩をしない!
小型犬・超小型犬の愛犬が嫌がって動かない時には、お散歩嫌いにならないよう、リードを無理に引っ張ったりせず、自分で歩き出すまで待ちましょう。
もし、自ら歩かない場合は、別の日にお散歩に行くようにしてください。
お散歩に行かなかった日には、室内でボール遊びをするなどして、運動不足やストレスを解消してあげるようにしましょう。
まとめ
今回は、小型犬・超小型犬のお散歩についてご紹介しました。
読者様の中には、「お散歩させればさせるほど健康に良い!」と思っていたかたもいらっしゃったのではないでしょうか?
超小型犬は骨が華奢な上、膝蓋骨脱臼や心臓病を患いやすい傾向があります。
そのため、長い時間お散歩をすると四肢や心臓に負担が加わるため、適度な時間や距離、回数のお散歩をするようにしましょう。
さらに、お散歩中には愛犬の様子をしっかり観察し、歩き方がおかしいなどの異常を感じたら、早めに動物病院を受診することが大切です。