【獣医師監修】大切な愛犬を守る!春に多い小型犬の病気とその予防策

冬から春先にかけての季節の変わり目は、朝晩の寒暖差が大きく、体調を崩しやすい時期です。

また、春には狂犬病やフィラリア、ノミ、ダニなど予防のお知らせが動物病院から届く時期でもあります。

今回は、春に多い小型犬の病気とその予防策についてご紹介しますので、是非参考にしてくださいね。

目次

アレルギー

犬のアレルギーは、ノミの唾液がアレルゲンとなるノミアレルギー性皮膚炎、環境中の花粉やカビ、イエダニ、動物のフケなどがアレルゲンとなるアトピー性皮膚炎、食べ物の成分がアレルゲンとなる食物アレルギーの3つに分類されます。

特に、春先はスギやヒノキ、ブタクサの花粉、イエダニ、カビなどが増えるため、アレルギー症状が重くなりやすいため注意しましょう。

主な症状

犬の場合は、アレルギーが皮膚症状として現れ、耳の中を痒がったり、目の周りが赤く腫れたり、手足の先を噛んだり、皮膚にポツポツと発疹が出るのです。

予防方法

花粉やイエダニ、カビなどによるアレルギーの予防には、空気清浄機の設置や、細めな掃除、散歩後のブラッシングなどのケアが大切です。

愛犬に当てはまるかも?という場合はこちらの記事もご確認ください👀

あわせて読みたい
愛犬の春をもっと快適に♡ 花粉&黄砂対策完全ガイド ポカポカ陽気に包まれる春は、お散歩が楽しくなる季節♪ でも、花粉や黄砂が気になる時期でもありますよね。 特に小型犬・超小型犬の愛犬は、皮膚や目、鼻がデリケートだ...
あわせて読みたい
【獣医師監修】ポメラニアン、トイ・プードルの抜け毛治療ガイド|原因は「アロペシアX」の可能性も。皮... 犬の抜け毛の原因は様々ですが、小型犬、超小型犬のポメラニアン、トイ・プードルの場合には「アロペシアX」が原因である可能性があります。しかし他の皮膚病と症状が似ており、見逃されがち。抜け毛の治療が長引いており、効果が見られない場合には「アロペシアXの可能性はないのか」獣医師に確認するのもいいでしょう。

ノミやマダニの寄生

春先になると、ノミやマダニの活動が活発になるため、これらの寄生による病気には注意が必要です。

主な症状

愛犬にノミが多数寄生すると、上で述べたノミアレルギー性皮膚炎を発症します。

また、マダニは、「エールリヒア症」「バベシア症」「アナプラズマ症」「ライム病」などといった感染症を媒介し、帰省することで愛犬にこれらの病気を発症させるリスクがあります。

予防方法

ノミやマダニの寄生には、月1回の予防薬の投与や、部屋のこまめな掃除、草むらを避けてお散歩するなどしっかりと予防することが大切です。

熱中症

犬も人と同様に熱中症になります。

特に犬は、毛で全身を覆われている上に、人のように汗をかくといった体温調整が出来ないため、熱中症になりやすいのです。

主な症状

熱中症の初期には、元気がなくなり、ハァハァ激しいあえぎ呼吸と大量のよだれがみられます。

中期になると、呼吸は浅く、ぐったりした状態になるのです。

末期では、意識がもうろうとしてくるなどのショック状態を引き起こし、最悪の場合には死に至ます。

予防方法

春先の気温は不安定で、突然、気温が上昇することもありますが、30℃を越えるほどの暑さはあまりなく、飼い主の管理で予防できるものがほとんどです。

日中は涼しく快適な温度を保ち、外出や散歩は場所や時間帯に配慮し、締め切った車内は急に温度が上昇しやすいので、短時間でも車内で留守番をさせることは避けましょう。

春は狂犬病ワクチンの季節

狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症であり、発症すると約1週間ほどで死に至る、致死率100%の恐ろしい病気です。

また、狂犬病は人畜共通感染症で、犬から人に感染することもあります。

狂犬病ウイルスを保有する動物に咬まれたり引っかかれたりすると、その傷口からウイルスが侵入し感染するのです。

主な症状

狂犬病は脳脊髄炎(のうせきずいえん)による神経障害により、最初は急に攻撃的になるなど行動の異常が認められるようになります。

そして、目に入るものを手当たり次第噛んだり、音や光に過敏な反応を示すようになるのです。

その後、全身に麻痺が進むことにより歩行困難や、口やのどの筋肉が麻痺することで過剰によだれを垂らしたり、食べものが飲み込めなくなり、最終的には死に至ります。

予防方法

日本は島国のため、1970年以降は国内での犬の発症例はなく、狂犬病清浄国です。

狂犬病の予防には、ワクチン接種が最も効果的な方法で、愛犬への1年に1回の狂犬病ワクチン接種が義務づけられています。

狂犬病ワクチンは、多くの自治体で毎年4~6月頃に集団予防接種を実施していますが、 動物病院で個別接種を受けることも可能です。

持病があったり、今までワクチン接種でアレルギー反応がみられたりする場合には、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。

 フィラリア症

フィラリア症は、地域によって異なりますが、3月頃〜11月頃まで1月に1回の予防薬の投与が必要な蚊が媒介する病気です。

フィラリアに感染した動物の血液を吸った蚊が、他の動物を吸血することで感染します。

そのため、蚊の飛んでいる季節の予防が重要なのです。

主な症状

フィラリアに感染すると、体内でフィラリアの子虫が成長し、心臓や肺の血管に寄生し血流を妨げることで、元気や食欲がなくなり、痩せたり、咳や肺音異常、呼吸困難、心音異常、血尿、腹水などの症状が現れます。

重症化すると、心臓や肝臓、腎臓などに障害を起こし、死に至る確率も高い病気です。

予防方法

フィラリアの予防薬は、毎年必ず動物病院でフィラリアに感染していないかを血液検査で確認してから処方してもらい、指示された期間中に忘れずに投与するように注意しましょう。

ストレス

春先は、転勤や進学などで引っ越しをしたり、オーナーさんの生活リズムが変化し、愛犬の留守番の時間が長くなったり、愛犬とのコミュニケーションをとれる時間が短くなったりします。

それらがストレスとなり、愛犬が体調を崩すことがあります。

主な症状

ストレスを感じると、元気や食欲がなくなったり、下痢や嘔吐をしたり、無駄吠えや物を壊すなどの問題行動が増えるのです。

また、前足を過剰に舐めるなど過剰なグルーミングをしたり、自分の尻尾を噛んだりなどの症状が現れることがあります。

予防方法

愛犬の体調変化を見逃さず、コミュニケーションを増やす、人目が気にならない場所にベッドを設置してゆっくり休ませてあげる、適度な運動をさせるなど日頃からストレスケアをしてあげましょう。

それでも、症状が治らない場合には、病気が潜んでいることもあるため、早めに動物病院を受診することが大切です。

まとめ

人と同じで、春先は環境の変化や気温の変動などで、愛犬も体調を崩してしまいやすい季節です。

愛犬をよく観察し、いつもと違う様子が見られた際には、早目に動物病院を受診するようにしましょう。

また、日頃から愛犬とスキンシップを取り、ストレスを感じにくい環境を整えることも大切です。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次