湿気はカビや菌が繁殖する原因となったり、ウイルスの働きを活性化したり、愛犬の体の負担になったりと、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
愛犬の温度管理に気を付けているオーナーさんは多いですが、湿度まで気を付けている方は少ないかもしれません。
この記事では、愛犬にとって最適な湿度や湿気が原因となる病気、湿度管理と対策について解説しますので是非参考にしてくださいね。
犬にとって快適な湿度とは
犬にとって理想的な湿度は40〜60%です。
湿度とは空気中に含まれている水分量の割合で、同じ温度でも湿度が高いと暖かく、湿度が低いと寒く感じます。
湿気が高くなると、菌やカビの繁殖しやすくなったり、熱中症になりやすくなるのです。
逆に湿度が低いときにはウイルスの働きが活性化され、病気の感染のリスクが高くなります。
湿気に注意が必要な犬種
以下の犬種は、特に湿気に注意が必要であるため、よりしっかりとした湿気対策をしましょう。
・短頭種‥他の犬種と比べて温度調節が上手くできないため
・子犬‥体が未熟で、免疫機能が低いため
・シニア犬‥体力や免疫機能が衰えているため
・呼吸器・循環器疾患の持病がある‥呼吸器や循環の持病があると温度調節が難しい。また、湿気が低い場合には咳などの呼吸器症状が悪化しやすいため
・肥満傾向‥皮下脂肪が厚く熱が体内にこもりやすい傾向がある。また、皮下脂肪がノドや気管を圧迫して呼吸がしづらくなり体温調節が上手くいかないため
湿気が原因となる病気は?
ここでは、湿気が愛犬にどのような病気をもたらす可能性があるのかを解説していきます。
食中毒
梅雨の時期など湿度が高くなると、食べ物が腐りやすく、菌やカビの繁殖しやすいため、食中毒になりやすいのです。
また、梅雨の湿気と冷えは愛犬の消化器に影響しやすく、胃腸が弱くなり、お腹を壊しやすくなります。
皮膚病
湿度が高くなると、カビや菌が発生しやすくなるだけでなく、ノミ・ダニなども増加します。
また、高湿度で犬の被毛の中が蒸れると、細菌やカビ(真菌)が繁殖し、皮膚病を発症しやすくなるのです。
逆に、湿度が低すぎると、皮膚が乾燥して、フケや痒みが出やすくなります。
ですので、夏はサマーカットにしてあげたり、愛犬の皮膚の状態を観察し、シャンプーの頻度を調整するようにしましょう。
外耳炎
人間と違い犬の耳は、耳の入り口から鼓膜までの外耳道と呼ばれる部分が、L字型で通気が悪い構造をしています。
そのうえ、耳道が狭く、耳毛が多いことなどから耳の中が蒸れやすくなっています。
特に、耳の垂れた犬種では通気性がさらに悪く、湿気で耳の中が蒸れてしまい、外耳炎になりやすいのです。
そのため、湿気の高い時期には、耳の周りの長すぎる毛をカットしたり、室内の湿度を適切に保つなどの工夫をしましょう。
熱中症
犬は全身を毛で覆われており、さらに人のように汗をかくといった体温調整ができないため、熱中症になりやすい傾向です。
犬は体のごく一部にしか汗をかかないので、パンティング呼吸をすることで熱を放散しています。
しかし、湿度が高いときは、パンティング呼吸の際に唾液が蒸散しにくくなり、体温調節が難しくなるため、熱中症になるリスクが高くなるのです。
呼吸器疾患
湿度が低すぎると乾燥して、ノドがカサカサしがちです。
そのため、咳が出やすくなり、呼吸器に持病がある子は症状が悪化する場合があります。
また、部屋が乾燥するとホコリっぽくなるので、咳だけでなくくしゃみが出ることも多くなるのです。
愛犬のための湿気対策
愛犬にとって過ごしやすい環境を整えるために、温度管理とあわせて以下の湿気対策を行うようにしましょう。
除湿機や加湿器、エアコンを使う
最も簡単なのは、湿気に応じて除湿機や加湿器を使用することです。
また、エアコンを利用すれば、ドライ機能で室内の湿度を最適に保てるだけでなく、愛犬にとって適切な室温にすることができます。
風通しをよくしたり、こまめな換気をする
晴れた日には、湿気がこもらないよう風通しをよくするようにしましょう。
また、梅雨など雨の日でも、窓を時々開けたり、換気扇を回したりなど、こまめに換気をして、室内の空気を循環させることが大切です。
愛犬の生活スペースを清潔にする
湿気がこもりやすくダニやカビの温床になりやすい愛犬のベッドやクッション、ブランケットなどは晴れた日に天日干しや洗濯してください。
また、敷きっぱなしになりがちなマットなども、時々はがして湿気を逃がすようにしましょう。
汚れは菌やカビが繁殖する原因となるため、愛犬の生活スペースにあるものは常に清潔にしておくことが大切です。
食後の食器はすぐ片付ける
湿気が高い時期は、食べ物が腐りやすいため、愛犬が食べ終わった後の食器や食べ残しは放置せず、すぐに片付けるようにしましょう。
また、飲み水もこまめに取り替えることも大切です
さらに、フードがいたまないよう密閉容器に入れ、湿度が高い場所には保管しないようにしてください。
まとめ
湿気が多いと犬も人間と同じように、体に負担を感じることが多くなるため、温度だけでなく湿度の管理も重要です。
日頃から温度と湿度の管理を行い、ムシムシした季節を快適に乗り越えましょう。
また、湿気が多い季節は体調を崩しやすいため、少しでも愛犬に気になることがあれば、早めに動物病院を受診することをおすすめします。