小型犬・超小型犬の寝過ぎは大丈夫?寝る時間・寝る場所やNGケースも解説

愛犬と暮らす中で、「うちの子ずっと寝てるけど大丈夫?」や、「犬ってこんなに寝るものだっけ?」と感じた経験はありませんか?

子犬のうちは人間の赤ちゃんと同じようによく寝ることは理解できますが、成犬になっても寝てばかりいると不安になってしまいますよね?

そこで、この記事では超小型犬や小型犬の年齢や犬種ごとの平均睡眠時間、寝てばかりいるのが危険か否の見分け方、寝てばかりいる症状が見られる病気、愛犬が快適に寝れるポイントについてご紹介しますので、是非参考にしてください。

目次

犬の1日の平均睡眠時間は?年齢と睡眠時間に関係はある?

人の平均睡眠時間は7〜8時間ですが、犬は人に比べるとかなり長く、平均睡眠時間は12〜14時間といわれているのです。

人と同様に、犬の睡眠もレム睡眠とノンレム睡眠に分けられます

レム睡眠は目がピクピクと動いたり、足をパタパタさせたりする浅い眠りで、ノンレム睡眠は深い眠りです。

犬の場合は、このレム睡眠の割合が高いのが特徴で、約80%がレム睡眠、20%がノンレム睡眠とされています。

犬の睡眠は、このように浅い眠りを何度も繰り返すことから、睡眠時間が長いのです。

また、子犬、成犬、高齢犬で睡眠時間は大きく異なっています

ここでは、それぞれの年齢段階での睡眠時間の目安についてお伝えするので、是非参考にしてください。

子犬の1日あたりの睡眠時間

子犬は成長期のため、体を休める時間が必要不可欠です。

そのため、生まれてから生後3週頃までは、1日のほとんどを睡眠に費やし、18〜20時間ほど寝て過ごします。

生後2ヶ月~3ヶ月頃になると徐々に体力がつくため、走り回る姿が見られるようになってくるのです。

しかし、まだ遊び以外の時間は寝ていることがほとんどで、1日あたり16〜18時間は眠ります

生後4ヶ月頃から個体差が出てきて、生後5か月ごろには平均睡眠時間が14~16時間程度になります。

成犬の1日あたり睡眠時間

一番体力があり、活動的な成犬でも、上でお伝えした全体の平均睡眠時間と同じ、12~14時間ほどと1日の半分以上は眠っています

そのため、「よく寝るなあ…」と感じても、起きている間にしっかり遊び、元気に散歩も行くのであれば問題はありません。

ただし、個体差があり、活発な犬種などは9〜12時間の睡眠で十分な場合もあるのです。

また、成犬になると睡眠をまとめてとるようになり、人間同様、夜に連続して眠る子が増えてきます

成犬の睡眠時間は生活環境によっても違いが出てくるようになるのです。

昼間家族と過ごす時間が多い子は刺激があるため、日中起きていることが多くなり、夜になると眠そうにしている姿が見られます。

一方、昼間ひとりで留守番を任されがちな子では、留守番中に寝ていることが大半なため、夜になっても眠くならず、オーナーさんと遊びたがるなどなかなか寝ようとしないケースもあるのです。

高齢犬の1日あたりの睡眠時間

7歳以上の高齢犬は、だんだんと体力が落ちてくることから、体力を回復させるためにも、睡眠時間が長くなってきます。

食事と排せつの時間以外はずっと寝ていることも珍しくなく、1日のうち18~20時間ほどを寝て過ごすようになるでしょう。

超小型犬や小型犬、犬種別の平均睡眠時間は?

また、犬種や個体の大きさに応じても睡眠時間は変わります。

超小型犬や小型犬の平均睡眠時間は、1日あたり10〜14時間程度です。

中型犬は、超小型犬や小型犬よりも活動量や運動量が多いため、十分な休息時間を確保する目的から、1日あたり12〜16時間程度とよく寝る傾向があります。

さらに、大型犬は体が大きい分、動いたときの体力の消費が大きくなり、その回復に時間が必要なため小型犬や中型犬よりも睡眠時間は1日あたり14〜18時間程度と長くなるのです。

また、犬種によっても1日あたりの平均睡眠時間は変わってきます

例えば、体が小さく運動量もそれほど多くないチワワは、1日あたりの平均睡眠時間は10時間程度です。

一方で、狩猟犬としての歴史があるミニチュア・ダックスフンドは、活発で警戒心も強いため、チワワに比べエネルギー消費量が多く回復に時間を要するため、平均睡眠時間は 11~15時間程度とチワワより長いといわれています。

以下が代表的な超小型犬や小型犬の平均睡眠時間です。

トイ・プードル12〜14時間
チワワ10〜12時間
ヨークシャー・テリア:12〜14時間
ポメラニアン:12〜13時間
マルチーズ:12〜14時間
ミニチュア・ダックスフンド:12〜14時間

犬が寝てばかりいるが、危険かどうかの見分け方は?

愛犬に「よく寝るなあ」と感じても、起きている間にしっかり遊び、散歩も元気に行くのであれば特に問題はありません

しかし、そのまま放っておくと危険なケースもあるため、ここでご説明します。

起きている時もボーっとしていて元気がない

起きている時も遊ぶなど活動を全くせず、元気がない場合には、愛犬に何らかの不調があるのかもしれません。

また、眠りが浅く寝不足の場合にも、以前より食欲がなくなる、無気力で動かなくなる、イライラしてオーナーさんの言うことを聞かなくなる、無駄吠えや攻撃的になる、小さな音にも敏感になるなどの様子が見られます

このように考えられる原因は身体的な不調や精神的な不調など多岐にわたるため、一度かかりつけの獣医師さんに相談してみましょう

あまりにも長時間寝過ぎている

愛犬が1日あたりの平均睡眠時間と比較し、あまりにも寝過ぎてしまっている場合には、何らかの不調が考えられます。

考えられる不調の原因としては、ケガや病気、ストレスなどです。

考えられるストレスの原因を取り除いても、睡眠時間に変化がない場合には動物病院で相談してみましょう

寝ている最中に頻繁に起きている

寝ている最中によく起きてしまう場合は、眠りの質が低い可能性があります

眠りの質が下がる原因としては、身体的な不調、眠る場所や寝具、室内の温度設定など睡眠環境の不備などです。

身体的な不調が思い当たらない場合は、愛犬が眠る場所や寝具、温度設定などを見直してあげましょう

寝てばかりいる犬で疑われる病気は?

また、愛犬がずっと寝ていても、ほとんどの場合は問題ありませんが、なかには病気の症状である可能性もあります。

ここでは、睡眠時間が長い場合に考えられる病気についてご紹介しますので、愛犬に当てはまるところがないか確認しましょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、喉の部分にある甲状腺といわれる器官からのホルモン(甲状腺ホルモン)の分泌が低下する病気です。

甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、低体温や代謝障害、活動量が低下などの症状が表れるため、一見元気がなく寝てばかりいるように見えます

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

クッシング症候群は、腎臓の上に位置する副腎といわれる小さな臓器から、ホルモン(副腎皮質ホルモン)が過剰に分泌されることで起こる病気です。

副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されると、多飲多尿、脱毛、食欲増加、腹部膨満、足腰の筋肉の衰えといった症状が表れ、身体の不調から活動レベルが低下します

認知症

認知症は8歳以上の高齢犬で発症しやすく、脳の神経細胞の減少や、脳の萎縮から、認知機能が低下するが病気です。

認知機能が低下すると、ぼんやりしている時間や眠っている時間が長くなります

また、粗相をしてしまう、夜鳴き、徘徊トイレなども認知症で見られる症状です。

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは、オーナーさんとの遊びや、おやつの時間といったポジティブな感情になる場面で、その感情による興奮が引き金になり、突然強い眠気に襲われる病気です。

摂食や睡眠などに関与するオレキシンといわれる脳内の神経伝達物質の変異によって起こります。

ナルコプレシーは、意識はあるものの脱力状態が続き、体を動かすことができなくなるのが特徴的な症状です。

ただ、脱力状態は1~2分ほど続きますが、体をゆすったり、声をかけたりすることで回復するケースもあります。

ナルコレプシーは命に関わる病気ではなく、投薬や生活習慣の見直しで症状が和らぐ可能性がある病気です。

愛犬が快適に眠れるためにオーナーさんが気をつけるべきポイント

小型犬・超小型犬の愛犬が安心して快適な環境を用意してあげることは、心身の健康にとっても大切といえます。

ここでは、犬が快適に眠れるために気をつけるべきポイントについて解説しますので、是非参考にしてみてください。

適度な運動をさせる

犬は日中に運動することで、睡眠の質の向上につながります。

そのため、小型犬・超小型犬の愛犬の睡眠を良くするためには、散歩をしたり、おもちゃで遊んであげたりするなど適度な運動を行いましょう

また、散歩や遊びなどの運動は、ストレス発散や、オーナーさんとのコミュニケーションなどの観点から非常に重要なものなのです。

愛犬が快適に眠れる環境づくりをする

愛犬が快適に眠れる環境を整えることで、睡眠の質が向上します

まず、寝床の場所は、玄関や廊下などの人の行き来が多い場所や、音の影響を受けやすいテレビの近く、エアコンの風や日光が直接あたる場所は避けるようにしましょう。

犬はオーナーさんの気配を感じ、ほどよく周りの音が聞こえる場所が落ち着けるため、リビングなどがおすすめです。

また、寝床が1つである必要はないので、メインの場所にケージを置き、他の場所に毛布やクッションなどで落ち着ける場所を作ってあげるのも一つの手といえます。

フローリングやケージ内の床は固いので、体に負担がかかるため、適度なクッション性のあるペット用のベッドなどを寝床に設置してあげましょう

さらに、犬の快適な睡眠のためには、室内を適切な気温と湿度に保つことも大切です。

犬が快適に過ごすために、エアコンで25~27℃に調整し、季節に合わせて加湿器なども上手に活用しましょう

睡眠中にあまり触らない

愛犬が眠っている間は、無理に起こしたり、触ったりすることは避けましょう。

睡眠の質が低下し、寝不足になると体調不良や病気の原因となることがあります。

まとめ

愛犬が「寝てばかりいるなあ」と感じていても、基本的には心配はいりません。

しかし、なかにはストレスや病院が潜んでいることがあるため、起きてる時の愛犬の様子をきちんとチェックし、おかしいと感じることがあれば動物病院を受診するようにしましょう。

睡眠不足は、愛犬の体調不良や病院の原因となるため、快適に眠れるようにサポートすることが大切です。

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