「なぜ急に愛犬が遠吠えを始めたのだろう?」
「どうすれば遠吠えをやめさせられる?」
愛犬の遠吠えについて、上記のような疑問を抱えているオーナーさんもいるのではないでしょうか。
大型犬に多いイメージがある遠吠えですが、実は小型の愛犬でもすることがあります。
本記事では、遠吠えをする理由とその心理、具体的な対処法を元犬の訓練士である筆者が解説します。
愛犬の遠吠えに困っているオーナーさんは、ぜひ参考にしてみてください。
遠吠えの起源はオオカミにあり
遠吠えとは、愛犬が顔を上げて大きく長いの声で「ワォーン」と吠える行動を指します。
野生の犬科の動物によくみられる行動で、仲間との重要なコミュニケーション手段として使われていました。
オオカミは遠くにいる仲間に自分の位置を伝えたり、仲間に危険を知らせたり、縄張りを主張したりするときなどに遠吠えを行います。
家庭で暮らしている愛犬にも本能としてこの習性が残っており、どのような犬種でもさまざまな理由から遠吠えをする可能性があるでしょう。
小型犬も遠吠えをする
遠吠えは、どの犬種でもみられる可能性がある本能的な行動です。
シベリアンハスキーやビーグルなど特定の犬種が遠吠えをしやすいといわれることが多いですが、オオカミに似ていない体の小さな小型犬でも遠吠えをすることがあります。
とくにチワワやポメラニアン、トイプードルなど吠えやすい愛犬は、遠吠えをしやすい傾向にあるでしょう。
小型の愛犬が遠吠えをする理由と心理
小型の愛犬が遠吠えをするときは、何か理由があることがほとんどです。
ここからは、愛犬が遠吠えをしている理由を5つ紹介します。
- 不安やストレスを感じている
- 特定の音に反応している
- 仲間とコミュニケーションをとろうとしている
- 縄張りを守ろうとしている
- 老化や病気が関係している
それぞれの理由別に、吠えている愛犬の心理も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
不安やストレスを感じている
小型犬が遠吠えをする背景には、不安やストレスが関与している場合があります。
小型の愛犬によくみられるのは、留守番時の遠吠えです。
留守番時の遠吠えは、オーナーさんがいないことに不安を感じた愛犬が、吠えてオーナーさんを呼んでいる可能性が高いでしょう。
とくに、マルチーズやトイプードルなど、人のそばにいることも好む犬に留守番時の遠吠えがみられます。
また、運動不足によるストレスで、遠吠えをする場合もあります。
小型の愛犬は、運動があまり必要ないと思っているオーナーさんが多く、運動不足になりがちです。
運動時間が十分に確保できていない場合、ストレスを発散するために、遠吠えで大きな声を出そうとする愛犬もいると認識しておきましょう。
特定の音に反応している
小型の愛犬は、音に反応して遠吠えをする可能性があります。
とくに反応しやすい音は、救急車やパトカーのサイレンの音です。
サイレンの周波数は犬の遠吠えに近いとされており、仲間が呼んでいると勘違いして吠える愛犬もいます。
また、楽器やオーナーさんの歌声に反応して遠吠えをすることもあります。
楽器や歌声に反応する場合は、オーナーさんが楽しんでいる様子をみて、愛犬自身も一緒に楽しもうとしていると考えられます。
仲間とのコミュニケーションを試みている
遠吠えは、オオカミ同士がコミュニケーションをとるための手段です。
オオカミが祖先である愛犬にもその習性が残っており、吠えて遠くにいる仲間とのコミュニケーションを試みていることがあります。
ほかの犬の声に応えるように愛犬が遠吠えをした場合は、コミュニケーションをとっていると判断してよいでしょう。
縄張りを守ろうとしている
遠吠えは、縄張りを主張するためにも使われてきました。
そのため、来客やほかの犬に対して遠吠えをする愛犬もいます。
このときの遠吠えは、「これ以上近づくな」という気持ちを表現していると考えられます。
とくに、警戒心の強いチワワやポメラニアンなどに、縄張りを主張するための吠えがよくみられるでしょう。
老化や病気が関係している
犬は老化が進むと認知症になる可能性があります。
認知症になると、遠吠えをしたり部屋を徘徊したり夜中に起きて動き出したりなど、人間の認知症と同じような行動をするとされています。
年をとってきた愛犬が、ある日突然遠吠えを始めた場合は、認知症を疑いましょう。
また、老化や病気によって目や耳が不自由になることで、吠え始めるケースも少なくありません。
目や耳が不自由になると、これまで当たり前にできていたことができなくなり、不安や寂しさを感じていると考えられます。
【ケース別】小型犬の遠吠えの対処法
ここからは、愛犬が遠吠えをするときの対処法をケース別に紹介します。
- 留守番中の遠吠え
- 音が原因の遠吠え
- 縄張り意識による遠吠え
- 老化や病気が原因の遠吠え
愛犬の遠吠えを減らすためには、その原因に応じた適切な対応が必要です。
それぞれの対処法を詳しくみていきましょう。
留守番中の遠吠え
留守番中の遠吠えは、不安や寂しさを感じている可能性が高いでしょう。
そのため、留守番時には、愛犬が不安や寂しさを感じないような対策が必要です。
具体的には、外出前に散歩や遊びを十分に行い、愛犬を疲れさせておく方法が効果的です。
十分に運動した愛犬は、留守番中に休んでいる時間が長くなり、遠吠えをしなくなる場合があります。
また、留守番中に長く遊べるおもちゃを用意しておくのもおすすめです。
おもちゃで留守番中に退屈にならないようにすることで、遠吠えを軽減できるでしょう。
音が原因の遠吠え
サイレンの音やほかの犬の声に反応している場合、本能的に遠吠えをしている可能性が高く、完全にやめさせることは難しいといえます。
吠え声が気になるときは、防音効果のあるカーテンや窓、壁材などを活用するとよいでしょう。
部屋の防音対策をすると、室内の愛犬の声が外に漏れるのもある程度防ぐことができます。
また、外から聞こえるサイレンの音やほかの犬の吠え声も軽減できるため、愛犬が音の刺激を感じにくい環境を用意できるでしょう。
縄張り意識による遠吠え
縄張り意識からくる遠吠えの場合は、ケージやクレートなど愛犬が安心して休める場所を作ることが大切です。
犬は本来、土を掘って狭い空間を寝床として利用してきました。
その頃の名残が今も残っており、狭い空間に入ることで落ち着いて過ごせる愛犬が多いとされています。
来客があるときは、ケージやクレートなどに入ることで精神的に落ち着き、吠えなくなる可能性があります。
愛犬が吠えずに落ち着いて過ごせているときには、ケージから出して来客におやつを与えてもらうと、警戒心が徐々になくなり、遠吠えの頻度が減るでしょう。
老化や病気が原因の遠吠え
老化や病気が原因の場合、不安や寂しさから遠吠えをしています。
そのため、添い寝をしたり常に声をかけたりすることで、精神的に安定し、吠える頻度が減る可能性があります。
しかし、認知症による遠吠えは、オーナーさんだけで対処することは難しい場合もあるでしょう。
獣医師に相談すると、愛犬を精神的に落ち着かせるためのサプリや薬を処方してもらえる場合もあります。
さまざまな対処をしても効果がなく、吠え続けるときは、動物病院を受診してみてください。
まとめ
小型の愛犬の遠吠えは、音に反応していたり、不安を感じていたりとさまざまな理由があります。
遠吠えをやめさせたいときは、まずは原因を正確に把握し、原因に合った対処をすることが不可欠です。
ただし、音に反応している場合や認知症の場合は、吠えるのをやめさせるのが難しいケースもあります。
吠え声が周りの迷惑にならないように、室内の防音対策も行いましょう。
上記で紹介した対処法を参考に愛犬の遠吠え対策を実施してみてください。