旅行や帰省など、長距離移動するときも、大切な愛犬と一緒に行動したいですよね。
新幹線などの公共交通機関を利用する場合や、高速道路での長時間ドライブなど、愛犬に負担をかけず、周囲にも迷惑にならないようにするには、事前の準備と当日の配慮が重要になります。
新幹線で愛犬と旅をしよう
長距離移動といえば、電車や新幹線が便利。乗車するときの注意点をまとめました。
電車移動に慣らす
乗車の条件をしっかり確認する
新幹線の最寄り駅までは、電車で行く場合が多いと思います。
愛犬を連れて電車に乗る場合、鉄道会社によって乗車の条件が異なります。
基本的には、小型の動物は手回り品扱いですが、愛犬を入れるケースの大きさや形に規制があります。
また、犬の顔や、体の形が外から見えないことが条件となっている場合もあります。
利用する鉄道会社の規約をチェックし、必要な場合は手荷物切符などを購入して乗りましょう。
新幹線の場合、
・料金:手回り品切符 290円。
JR各駅の有人改札口または精算所で購入。在来線の駅で購入したら、そのまま新幹線にも乗車できる。
・長さ70cm以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90cm程度のケースに入れ乗車
・ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内
※スリングなど、布状で形が安定しない、犬の形が外側からわかるものは使用不可。
※ペットカートの場合、全体のサイズが制限を超えるため、そのままでは持ち込み不可。
ペットを入れるケース部分と、車輪や手押し用の取っ手等を分離し、ケースが制限の範囲内で、かつケース以外の部分が無料手回り品の制限範囲内であれば持ち込み可。
事前からケースでの移動に慣らす
いつも、お出かけのときは徒歩やマイカー? ペットカート?
とりあえず新幹線乗車の時に使うケースに入って、フタを閉めた状態で、移動することに慣れてもらいましょう。
最初は、オーナーさんが愛犬を入れてフタを閉めたケースを持ち、徒歩で移動します。
とりあえず近所の公園やお店まで歩き、大人しくしているようならだんだん距離を伸ばします。
また、ペットカートやマイカーにケースを載せ、その中に愛犬を入れてフタを閉めて移動することで、ケースでの乗り物移動に慣らします。
日常的な電車に何度か乗ってみる
愛犬をケースに入れ、最寄り駅から何駅かテスト乗車してみます。
オーナーが立った状態、座席に座った状態など、いろいろな状況で、大人しくできるかを試してみましょう。
ケースの中で吠えたり、落ち着かないなどの問題行動があれば、すぐに下車して、徒歩移動の訓練に戻ります。
当日の乗車までの準備
座席を指定する
座席はなるべく、最前列か最後列の指定席を取りましょう。
通常の座席より足下が広く、余裕をもって愛犬を入れたケースを置くことができます。
座席は「えきねっと」か「スマートEX」で指定できます。
二人で乗車する場合は必ず、二人席を指定しましょう。
一人で乗る場合は、愛犬が落ち着いて乗っていられそうなら窓側、途中で落ち着かせる必要がある場合は通路側にします。
トイレに近い席が安心です。
乗り込む前の準備
愛犬が電車酔いしたり、トイレに行きたくならないよう、当日のごはんは少なめに。
水は、舌で押すタイプのノズル付き給水ボトルか、ふだん使っている水筒と、飲み残した水を入れるペットボトルなどを別に準備しておきましょう。
トイレは必ず、乗車前に駅の外でさせてから乗るようにしましょう。
万一の場合に備えて、マナーベルトやパンツを装着すると安心です。
乗車時の注意点
周囲に気を配る
二人席の場合や窓側の席に座った場合は、足下にケースを置いても大丈夫ですが、もし一人で通路側に座った場合、窓側の人が通路に出にくいので、ケースを膝に乗せるか、すぐ移動できるよう気をつけましょう。
給水や温度管理にも気を付ける
暑い季節の場合は特に、1時間に一度くらいは水を与えましょう。少しケースのフタを開けても落ち着いていられれば、座席で給水できますが、落ち着かない場合はトイレに移動して与えます。
また保冷剤をケース内に入れたり、水で濡らしたウエアを着せるなど、暑さに対処しましょう。
扇風機は、犬にはあまり効果がない上、音が出るのでお勧めできません。
愛犬のストレス対策も必要
慣れない場所で、ずっとじっとしていることは、愛犬にとって大きなストレス。
ケースのフタが閉まっていてオーナーさんの姿が見えないと、不安になってしまうコも。
落ち着かない様子が見られたら、話しかけたり、ケースに手を入れてなでるなど、ストレス対策を。
吠えてしまったり、中でゴソゴソ動くようなら、落ち着くまでデッキに出てなだめましょう。
なかなか落ち着かない場合、トイレの個室でケースから出し、水やおやつを与えて落ち着かせるなど、対策を。
その場合、長時間トイレを占有しないよう、気をつけましょう。
愛犬とロングドライブを楽しもう
実家への帰省や観光旅行など、高速道路を使っての長時間ドライブは、愛犬が落ち着いて移動できるよう、事前の準備やドライブ中の気配りが大切です。
ドライブに慣らす
長めのドライブを体験
ふだん、クルマでのお出かけは、動物病院か近くのホームセンター?
長くても数十分のドライブばかり、というコは、高速道路での長距離ドライブに挑戦する前に、一般道での1時間以上のドライブにチャレンジしてみましょう。
体調やご機嫌が悪くなったときは、いつでもコンビニなどに停車できる環境で、愛犬をクルマ移動に慣れさせましょう。
高速道路でのドライブを体験
一般道でのドライブに慣れたら、高速道路での近距離ドライブを試してみましょう。
高速道路では、事故に備えて、座席に固定したケースに愛犬を入れます。
ケースに入っているほうが安定するので、車酔いもしにくいはず。
サービスエリアでの休憩も体験してみましょう。
最近のサービスエリアは、ペットOKのテラス席や、ドッグランがあるところも増えています。
お散歩したりランで遊んだりして、ゆっくり休憩しましょう。
長距離ドライブで気をつけること
休憩を多めに取り、体調に気を配る
長距離ドライブに出かけるときは、出かける前に少なめのごはんを与えます。
高速道路に入る前にコンビニなどで休憩を取り、トイレをさせ、水を与えましょう。
高速道路では、少なくとも1時間に一度はサービスエリアなどで休憩を取り、車酔いを防ぎましょう。
ドッグランがあれば遊ばせたり散歩してトイレをさせ、おやつや水を与え、愛犬にとって楽しい時間になるようにしましょう。
安全対策を万全に
ドライブは、抱っこしないと落ち着かないコもいます。
なるべくシートベルトなどで固定したケースに入れることをお勧めしますが、どうしても騒いでしまう場合は、後部座席で、スリングなどに入れて抱っこするか、ハーネスをシートに固定するなど対策をしましょう。
フリーにしていると、急ブレーキや万一の事故の際、フロントガラスに激突したり、壊れたクルマから外に飛び出てしまうこともあります。
運転者の膝の上に犬がいたり、クルマの窓から犬が顔を出していると、高速道路以外でも安全運転義務違反となり、反則金や点数を取られることがあります。
サービスエリアなどでは、ドアを開ける際に飛び出さないよう、必ずリードをしっかり持ちましょう。
また、店内で食事したり買い物をするために、愛犬を車内に放置しないでください。
真夏以外でも、熱中症の危険があります。
さらに、愛犬を不安にさせてしまい、体調の悪化につながります。
まとめ
愛犬との長距離移動は、公共交通機関を利用する場合、特に周囲に気を配り、迷惑をかけないように準備しましょう。
マイカーでの移動は、愛犬の体調に注意し、適宜休憩を取りながら移動することが大切です。
愛犬に大きな負担を強いることがないよう、気をつけながら旅を楽しみましょう。