鶏もみじって聞いたことはありますか?鶏もみじとは鶏の足のこと。
食材としてはあまりメジャーではないかもしれませんが鶏もみじはコラーゲンが豊富な部位で、しっかり煮るとおいしくて栄養のあるスープが取れます。この鶏もみじを使った鶏もみじスープはプティシアンの健康維持にも役立ちます。
今回は、犬の管理栄養士が自宅で簡単に作れる「鶏もみじスープ」のレシピや与えるメリット、栄養素について紹介しますので、ぜひ総合栄養食のトッピングとして与えてみてください。
1、スープごはんのメリット
そもそもスープごはんにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
最近では、犬に水分量の多い食事を与えるよう推奨しているレシピ本もありますが、スープごはんには様々なメリットがあります。
一般的に多くの飼い主さんが与えているドライフードは、水分量が10%前後で非常に低いことがわかりますが、犬は歴史的に水分量が多い生肉を食べており、水分量が生肉に近い方が消化しやすいと言われています。
ちなみに、生肉の種類によって水分量は異なりますが、生肉は一般的に70%前後の水分量を保持しています。
その他、歯を中心に口腔内トラブルがある犬でも食べやすく、水以外にも食事で水分を摂取することで脱水症状リスクを軽減することができます。
寒い時期は、体の冷えによって小型犬の免疫力も低下しやすいので、人肌温度のスープごはんは免疫力維持にも効果的です。
2、鶏もみじスープレシピ
それでは、実際に鶏もみじスープの作り方について紹介します。
自宅で簡単に作ることができるので、ぜひ総合栄養食のトッピング(普段あげているご飯の食欲促進)として活用してください。
・必要な材料
鶏モミジ 100~150g ・水 400ml
・作り方
STEP1、鶏もみじのツメ部分(通常3つ)を切り落とします。爪部分は使用しないため、捨てましょう。なお、出刃包丁など、切れ味の良い包丁があると便利です。
STEP2、400mlの水を鍋で沸騰させて、ツメを切り落とした鶏もみじを入れます。
STEP3、鶏もみじを骨が指で砕けるほどじっくり煮込みます。圧力鍋だと2時間ほどでほろほろになるので、時間がない方にはおすすめ!一般的な鍋だと弱火で2~3日かけて、髄液が完全に出るまでコトコト煮込みます。
STEP4、人肌温度に鶏もみじスープが冷めたら、冷凍する前に必ず冷蔵庫で脂とコラーゲンを1日分離させます。余分な脂は全て捨てましょう。
STEP5、その後は大きめの一口サイズに切って、タッパーやジップロックに入れて冷凍します。
※どちらの方法もゼラチン粉や寒天を入れません。鶏もみじから出てきたコラーゲンで十分ぷるぷるになります!
※冷凍する前に冷蔵庫で脂とコラーゲンを1日分離させ、脂を捨てる作業は必ず行ってください。
※必ず鶏もみじの爪は取り除いてから与えましょう。爪が小型犬の喉や消化器官を傷つけてしまうため、そのまま与えるのは絶対にいけません。
3、鶏もみじスープの食べさせ方
①冷凍庫から一口サイズの鶏もみじスープを一つ取り出し、レンジで500w1分で解凍します。
②解凍したら水で少し薄めて、カリカリフードに混ぜたら完成!
今まであまり食いつきが良くなかった子も、もしかしたら喜んで食べてくれるようになるかもしれません!
コラーゲンもたっぷりなので、試してみる価値はあります♪
4、鶏もみじスープの栄養素
鶏もみじスープには豊富なコラーゲンが含まれており、現代の犬に不足しやすいと言われている非必須アミノ酸(※1)を効率的に摂取することができます。
そのため、四肢を中心とした骨や軟骨、被毛や皮膚、筋肉など様々な部位の健康維持が期待できます。
非必須アミノ酸(※1):犬が体内である程度合成することのできるアミノ酸
鶏もみじスープを定期的に総合栄養食にトッピングして愛犬ちゃんに与えて毛並みが艶々になったと喜んでいる飼い主さんも多いので、ご愛犬との相性が良ければもしかしたら効果が期待できるかもしれません。
また、最近ではコラーゲンが含まれるサプリメント(機能性成分)を与えている飼い主さんもいますが、人工的に作られるサプリメントより、鶏もみじ食材を使って良質なコラーゲンの補給を行ってあげる方が愛犬ちゃんには良いでしょう。
※腎臓疾患などを患っているご愛犬ちゃんの場合は、獣医師の方とご相談ください。
鶏もみじを中心にコラーゲンが含まれている食材には、毛艶や毛並みを比較的短期間で改善すると言われていますが、その他にも関節の動きを滑らかにする、血管や骨の健康維持、皮膚に弾力性を与える働きがあると言われているので、愛犬ちゃんがシニアの場合は特に鶏もみじスープはおすすめしたいレシピです。
鶏もみじスープレシピを作ってみよう!
今回は、犬の管理栄養士が鶏もみじスープのレシピや与えるメリット、栄養素について紹介させていただきましたが、鶏もみじスープには前述の通り様々な健康効果が期待でき、寒い季節の免疫力維持や効率的な水分摂取にも役立ちます。
また、愛犬がドライフードを食べない場合は、嗜好性を高めるためにも役立つので、ぜひチャレンジしてみてください。
継続して与える場合は、アレルギー反応がなく、お腹も下さなければ1日1~2回与えても大丈夫ですが、栄養バランスが乱れないように、1日に与える総合栄養食の給与量の2割以内にしてください。
ご愛犬の体調を伺いながら与える頻度を調整してください。
また、違ったレシピや販売されているスープによっては脂肪をそのまま使っていたり、野菜を使っているものもあるのでお試しする際にはよくお調べください。