絹のようにやわらかく美しい被毛を持つマルチーズ。
マルチーズの美しさを保つためには、日々の被毛の手入れは欠かせません。
しかし、マルチーズの正しいお手入れ方法がわからず、困っているオーナーさんもいるのではないでしょうか。
そこで、今回はマルチーズのブラッシング方法やブラッシングのコツをトリマーの資格を持つ筆者が解説します。
マルチーズは毎日のブラッシングが必要
美しいマルチーズの被毛を保つためには、毎日のブラッシングが不可欠です。
マルチーズの被毛はとてもやわらかく、毛が絡まりやすいという特徴があります。
とくに被毛を伸ばしている愛犬の場合は、毎日ブラッシングをしなければ毛玉になる可能性が高いでしょう。
ブラッシングには、抜け毛を取り除き、毛玉を防ぐ役割があります。
また、皮膚を刺激して血行を促進し、皮膚病の予防にもつながります。
愛犬に美しくかつ健康に過ごしてもらうために、1日1回のブラッシングを実施しましょう。
マルチーズのブラッシングに必要な道具
マルチーズのブラッシングをする際には、以下のような道具を用意しましょう。
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
- コーム
それぞれの道具の使い方やおすすめ商品を紹介します。
スリッカーブラシ
スリッカーブラシとは、抜け毛を取り除いたり、毛玉を除去したりできるブラシです。
ブラシのピンの固さが異なるソフトタイプとハードタイプの2種類が販売されています。
普段のブラッシングにはソフトタイプ、毛玉ができているときにはハードタイプと使い分けることをおすすめします。
マルチーズにおすすめのスリッカーブラシを紹介します。
岡野製作所 スリッカーブラシ
プロのトリマーも使用しているスリッカーブラシです。
ブラシ部分にはステンレス針を採用しており、錆びにくい仕様。
力を入れずにブラッシングできるので、愛犬のお手入れに慣れていない人でも使いやすいでしょう。
マルチーズには、小サイズがおすすめです。
ローレンス ソフトスリッカー
創業200年以上の老舗イギリスメーカーが販売するスリッカーブラシです。
クッション性のあるラバーと細くしなやかなピンが特徴。
愛犬の被毛に負担をかけないようにブラッシングできます。
本体裏面はアルミ製で軽量化。
日々のブラッシングが楽になるブラシです。
ピンブラシ
ピンブラシは、ピンがスリッカーよりも長く、被毛の長いマルチーズにおすすめのブラシです。
長い被毛にスリッカーを使用すると、被毛が切れることがあります。
ピンブラシは、スリッカーよりも被毛への負担が少なく、長く細い被毛でも切ることなくブラッシングできます。
しかし、スリッカーのように毛玉の除去はできないため、部位によって使い分ける必要があります。
被毛を伸ばしているマルチーズは、スリッカーとピンブラシを用意しておきましょう。
マルチーズにおすすめのピンブラシを紹介します。
東京ペット商事 ドッググルーマー ピンブラシ
ドイツ製のピンブラシです。
ブラッシングのショックを吸収するラバークッションを採用。
被毛の負担を最小限に抑えられます。
持ち手は、静電気が起きにくい高級木製。
使いやすいピンブラシを探しているオーナーさんにおすすめです。
コーム
コームは仕上げや、耳・顔周りなどの細かい部分のブラッシングに使用するブラシです。
コームを使用すると、取り切れていない抜け毛や毛玉を発見できます。
ブラッシングの仕上げ中に引っかかりを感じる場合は無理に引っ張らず、もう1度スリッカーを使用して抜け毛や毛玉を除去することが大切です。
マルチーズにおすすめのコームを2つ紹介します。
GREEN DOG ミニコーム
全長13cmと小さなコームです。
目の周りや顔の周りなど細かい部分のブラッシングに最適。
小さいながらも、粗目と細目の両方を備えています。
顔の小さなマルチーズでも使用しやすいサイズ感のコームです。
市瀬 ハチコウコーム 両目櫛
プロ仕様の国産コームです。
粗目と細目が一体となっているのが特徴。
粗目で毛をほぐし、細目で被毛を整えます。
強度・しなやかさ・適度な重さを兼ね備えたコーム。
使いやすいコームを探している方におすすめです。
【部位別】マルチーズのブラッシング方法
必要な道具を揃えたら、さっそくマルチーズのブラッシングを始めましょう。
ここでは、以下の4つの部位にわけてブラッシングの手順を解説します。
- 上半身
- 下半身
- 前足・後ろ足
- 顔周り
それぞれの部位のポイントも解説するので、愛犬の被毛のお手入れに挑戦してみてください。
マルチーズの上半身(胸・お腹)
マルチーズの上半身をブラッシングする際には、スリッカーを使用します。
上半身の被毛を伸ばしている場合は、ピンブラシの使用がおすすめです。
皮膚にブラシが当たらないように、顎下から胸、お腹の順番でブラッシングしていきます。
毛の根元から毛先に向かって梳かすのが、美しい被毛に仕上げるコツです。
とくにお腹は毛玉や汚れがつきやすいため、毛の根元から念入りに梳かしていきましょう。
最後にコームを使用して、被毛の流れを整えます。
マルチーズの下半身(背中からお尻・しっぽ)
マルチーズの下半身のブラッシングには、被毛の長さに合わせてスリッカーまたはピンブラシを使用します。
背中から始めてお尻、しっぽの順番でブラッシングを行います。
ブラシが皮膚に当たらないように注意しながら、根元から毛先にかけて梳かしていきましょう。
とくにしっぽは被毛も長く、毛玉ができやすい部分です。
毛玉ができている場合には、手で少しほぐしてからスリッカーを使用すると、毛玉がとれやすくなるでしょう。
仕上げに下半身全体をコームで梳かし、毛玉が残っていないか確認します。
マルチーズの前足・後ろ足
マルチーズの前足と後ろ足のブラッシングには、スリッカーまたはピンブラシを使用します。
前足と後ろ足は全体的に毛玉ができやすいため、毛玉が多いときはスリッカーの使用をおすすめします。
足先から始めて足の付け根を最後に梳かしてしていきましょう。
被毛をかき分けて、根元から毛先に向かって毛束をほぐすようにブラッシングするのがポイントです。
最後にコームを使用し、細かい抜け毛を除去しながら被毛を整えます。
マルチーズの顔周り
目や口の近くは、スリッカーやピンブラシで梳かすとケガをする恐れがあるため、コームの使用がおすすめです。
コームの先が目や口に当たらないように、被毛に沿ってブラッシングしていきましょう。
耳は、毛玉ができやすいためスリッカーを使用します。
根元から毛先に向かって梳かし、最後にコームで仕上げます。
顔周りのブラッシングは嫌がる犬が多いため、一気にやろうとせずに優しく声をかけながら少しずつ進めていきましょう。
マルチーズのブラッシングのコツ
ここからは、マルチーズを上手くブラッシングするコツを4つ紹介します。
- 毛玉ができやすい部位は重点的に
- 力を入れすぎない
- 愛犬が嫌がらない部位から始める
- 毛玉を無理に取らない
それぞれのコツを詳しく解説します。
毛玉ができやすい部位は重点的に
マルチーズの毛玉ができやすい部位は、脇・耳の付け根・内股・足先などです。
よく動かす部位や動かすと擦れる部位、汚れが付着しやすい部位に、毛玉ができやすいとされています。
毛玉ができると痒みをともなったり、動くたびに被毛が引っ張られて傷みがでたりと愛犬が苦しい思いをする可能性があります。
また、ガチガチに固まった毛玉は、除去するときに愛犬が嫌がる可能性が高いでしょう。
毛玉になりやすい部位を重点的にブラッシングをして、毛玉を予防することが大切です。
力を入れすぎない
マルチーズの被毛はやわらかく薄いため、力が強すぎると皮膚を傷つける可能性があります。
とくにスリッカーやピンブラシを使用するときは、力を入れすぎないように注意が必要です。
ブラシを使用するときの力加減は、自分の手の甲にブラシを当てて、動かしても痛くない程度の強さが目安となります。
ブラッシングする前に、力加減を確認しておきましょう。
愛犬が嫌がらない部位から始める
ブラッシングは、愛犬を美しく健康に保つために欠かせないお手入れです。
毎日行う必要があるため、愛犬がブラッシングを嫌がらないように工夫しましょう。
とくに顔周りや足先、しっぽのブラッシングを嫌がる犬は多いとされています。
ブラッシングする際には、愛犬が嫌がらない部位から始めてみてください。
最後に嫌がる部位を手早く終わらせると、愛犬への負担が減るでしょう。
毛玉を無理に取らない
毛玉を無理にスリッカーやピンブラシで取ろうとすると、皮膚を傷つける恐れがあります。
固まった毛玉は、手でほぐしてからスリッカーで少しずつ取り除きます。
手でほぐせないほどガチガチに固まった毛玉は、トリマーなどのプロに任せることをおすすめします。
愛犬が嫌がって毛玉が取れない場合も、プロに依頼したほうがケガもなく安全に取り除けるでしょう。
まとめ
マルチーズの被毛は、やわらかく毛玉になりやすいのが特徴です。
愛犬の被毛を美しく保つためには、1日1回ブラッシングを行う必要があります。
ブラッシングは、抜け毛や汚れを除去し、毛玉を予防できます。
さらに、血行促進効果も期待でき、マルチーズの皮膚トラブル予防にもつながります。
マルチーズをブラッシングする際には、力を入れすぎないことが大切です。
固い毛玉ができた場合は、無理に取らずにトリマーに依頼してみてください。
今回の記事を参考に、自宅でブラッシングを習慣化し、マルチーズの美しい被毛を保ちましょう。