秋は過ごしやすく、愛犬と散歩やアウトドアを楽しむのに絶好の季節です。
紅葉シーズンには、愛犬とのお出かけを計画しているオーナーさんも多いのではないでしょうか。
しかし、秋の散歩やアウトドアには、いくつか注意すべき点があります。
今回は、秋に気を付けたいポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
◎ 涼しいからといって散歩をさせ過ぎない
秋になると、日中でも暑さを感じることはほとんどなくなり、熱中症の心配も少なくなります。
ですが、涼しいからといって散歩しすぎるのはNGです。
人が長時間歩くと足が痛くなったり呼吸が荒くなるように、犬も過度な運動は体に負担をかけます。
特に、超小型犬や小型犬は骨が細く、長時間の散歩で骨や関節に負担がかかりやすい犬種です。
チワワやマルチーズなどの愛玩犬は、骨格構成や筋肉の性質上、もともとハードな運動に向いていないため、より注意が必要です。
さらに、これらの犬種は心臓病にもなりやすく、長時間の散歩は心臓に負担をかける可能性があるため控えましょう。
【対策】
理想的な散歩の回数は 1日1〜2回 が目安です。
犬種ごとの1回あたりの散歩時間の目安は以下の通りです。
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チワワ・マルチーズ(愛玩犬)… 10〜20分
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トイプードル … 15〜30分
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ポメラニアン(愛玩犬と猟犬の中間)… 30〜40分
また、以下のような “散歩しすぎサイン” が見られたら、散歩を中断して抱っこで帰宅しましょう。
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呼吸が速く「ハアハア」している
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首を伸ばして呼吸している
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舌の色が青っぽい
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歩く速度が遅くなる
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ふらつく
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座り込む・動かなくなる
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家の方向へ行きたがる
◎ 早朝や夜間の寒さ対策をする
秋は涼しく過ごしやすい一方で、1日の寒暖差が大きくなる季節です。
犬は、1日の気温差が7℃以上になると下痢などの体調不良を起こしやすいといわれています。
【対策】
早朝や夜間に肌寒さを感じたら、愛犬に洋服を着せるなどの防寒対策をして散歩に行きましょう。
アウトドアで 標高の高い場所・風が強い海辺に行く場合、朝晩はかなり冷え込みます。
そのため、以下のアイテムも活用すると安心です。
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犬用シュラフ(寝袋)
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ドッグコット(脚付きベッド)
◎ 花粉によるアレルギーに気を付ける
秋は、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの花粉によるアレルギーが出やすい季節です。
これらの花粉にアレルギーがある犬は、散歩中や帰宅後に
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体をかゆがる
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くしゃみが出る
などの症状が現れることがあります。
【対策】
愛犬がこれらの花粉にアレルギーを持っている場合は、
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洋服を着せて花粉の付着を防ぐ
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散歩後に体を拭く
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ブラッシングして花粉を落とす
といった対策が有効です。
また、オーナーさんの衣類に花粉が付着している場合もあるため、玄関で上着を脱ぐなどして室内に花粉を持ち込まない工夫も大切です。
◎ 愛犬に害のある植物を避ける
秋の散歩道には、魅力的な自然がたくさんありますが、中には犬にとって有害な植物もあります。
● 銀杏(ぎんなん)
落ちている銀杏には、アミグダリンやメトキシピリドキシンといった中毒成分が含まれています。
銀杏中毒になると、
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嘔吐
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けいれん
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発作
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呼吸困難
などを引き起こし、重症化すると命に関わる場合もあります。
銀杏が落ちている場所は避け、散歩中の拾い食いに注意しましょう。
● どんぐり
どんぐりにはポリフェノールの一種 タンニン が含まれ、犬が大量に食べると中毒を起こす可能性があります。
症状:
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貧血(疲れやすい、元気がない、食欲がない)
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嘔吐、下痢
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粘膜の炎症
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肝臓障害
さらに、
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皮が硬く消化できない
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消化管を傷つける・詰まる可能性
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カビや除草剤が付いている場合がある
などの危険性もあります。
秋はコナラやクヌギなどのブナ科の木の下には近づけないようにし、リードを短く持つようにしましょう。
誤飲した場合は、元気そうでも 必ず動物病院へ。
● キノコ
秋の山や公園ではキノコが多く見られますが、毒キノコの誤食は非常に危険です。
素人が食用と毒キノコを見分けるのは困難なため、見つけたら愛犬が近づかないように注意しましょう。
● 菊・カーネーション・彼岸花などの花
秋に開花する花の中には、触れただけで皮膚炎を起こしたり、誤食すると中毒症状が出るものがあります。
特に、鼻先でにおいを嗅いだだけで反応する犬もいるため注意が必要です。
◎ ノミ・マダニ予防をする
涼しくなると、ノミやマダニの活動が活発になります。
落ち葉の下や草むらは、これらの寄生虫の隠れ場所になりやすく、身近な散歩道にも潜んでいます。
【対策】
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動物病院で ノミ・マダニ駆虫薬 を処方してもらう
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アウトドア時は 虫除けスプレー や 防虫効果のあるウェア を併用する
※虫除けスプレーには駆除効果がないため、必ず駆虫薬と併用しましょう。
◎ 感染症から身を守る
秋は空気が乾燥し、犬は鼻や喉の粘膜からウイルス・細菌・真菌に感染しやすくなります。
また、気温低下で体温が下がると免疫力も低下し、感染症のリスクが高まります。
犬は人間の風邪やインフルエンザにはかかりませんが、
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ジステンパー
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ケンネルコフ
などの呼吸器症状が出る病気には注意が必要です。
【対策】
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毎年のワクチン接種を欠かさない
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アウトドアで山・森へ行く場合は レプトスピラ感染症の予防 も検討する
レプトスピラは 5種混合ワクチンでは予防できません。
出かける前に獣医師に相談し、7種混合ワクチンの接種を検討しましょう。
◎ まとめ
秋の散歩道には紅葉など美しい自然が広がりますが、愛犬にとっては思わぬ危険が潜んでいることもあります。
季節特有のリスクを理解し、しっかり対策を行いながら、愛犬との秋のお散歩やアウトドアを楽しみましょう。


