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腸活してる?愛犬の腸内フローラのことを知ってみよう

近年、テレビ等のメディアで腸内細菌(腸内細菌叢(そう)、腸内フローラともよばれています)に関する情報を目にする機会も増えてますね。愛犬の腸活について、管理栄養士のあゆみ先生に伺いました。

※プティシアンマガジンでは、オシャレでかわいらしいプティシアンの子たちをセレプリティー(セレプ)と呼んでいます♡

美しさもかわいさも健康も食事の中から♡
セレプの健康のため、管理栄養士のあゆみ先生の連載が始まります。

第一回目は、愛犬の腸内フローラのことについて、伺います♪

愛犬家&愛猫家 管理栄養士 あゆみ先生
動物が大好きで、わんちゃん、ねこちゃんの健康を支える食生活を提案している管理栄養士。
健康や食生活に関する知識を広めるとともに、パパさん、ママさんとわんちゃんが一緒に食べられるレシピも考案中♪
プロフィールのイラストは、愛犬チワワちゃんのレムリアちゃんと愛猫のエルサちゃんと一緒。

目次

愛犬の腸内フローラは私たちと同じ?

腸活への関心は年々高まっていて、最近では、大手の動物保険会社による、わんちゃんやねこちゃんの腸内細菌検査のサービスも始まっていますね。

人間の体表面や口腔から大腸までの消化管には多様な微生物が常在していて、特に大腸には約1000種を超える100兆個以上の腸内細菌が生息しています。わんちゃんも人間と同じで腸内には腸内細菌が生息しているのですが、その密度は人間よりも濃いことが報告されています。

小さなお腹にも100兆個以上の腸内細菌がいっぱい詰まっている

腸内細菌にはどんな菌がいるの?

一般に、腸内細菌は以下の3グループで構成されています。

①善玉菌

善玉菌は人体にとって有益な影響がある菌で、腸内細菌の2割を占めています。代表的な菌にはビフィズス菌や乳酸菌があります。

②悪玉菌

悪玉菌は栄養素を腐敗させてアンモニアや硫化水素といった有害な物質を産生するなど、からだに悪い影響を及ぼす菌のことで、腸内細菌の1割ほど占めています。代表的な菌にはウェルシュ菌・ブドウ球菌・大腸菌の有毒株があります

③日和見(ひよりみ)菌

日和見菌は健康なときはおとなしくしていますが、からだの免疫力が低下すると体に悪い影響を及ぼす菌で、腸内細菌の中で一番数が多く、腸内細菌の約7割を占めています。代表的なものにバクテロイデス・大腸菌(無毒株)・連鎖球菌があります。

毎日バランスは変化するけれど、健康なときは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が絶妙なバランスを取っている

通常は善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割のバランスですが、毎日の食事などの影響でバランスは常に変化しています。もともとの遺伝の影響もあり、腸内細菌の構成は同じ犬種のわんちゃんでも異なるといわれています。

悪玉菌は慢性的な病気とも関係

悪玉菌が増えすぎてしまったり、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れてしまうことを、腸内細菌の構成異常(ディスバイオーシスといいます)が、この腸内細菌のアンバランスが、肥満や糖尿病、大腸がん、炎症性腸疾患など、さまざまな慢性疾患と関連していることが近年の研究で明らかになっています。

悪玉菌が多い腸内環境になると、肥満や糖尿病、大腸がん、炎症性腸疾患などと関連することも

たとえば、健康な場合だと乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が優勢ですが、上記のような疾患のわんちゃんでは悪玉菌の割合が増えているなど、健康な状態と比べて腸内細菌のバランスが著しく変化していることが報告されています。

善玉菌は悪玉菌から腸を守ってくれるだけじゃない!

善玉菌が腸内で合成する成分は、わんちゃんにとってよい作用をもたらしてくれます。善玉菌が合成する成分には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンK、ナイアシン、葉酸などの各ビタミンや短鎖脂肪酸がありますが、これらの成分は、腸内にたくさんいい作用を及ぼします。

健康な体に欠かせないビタミンも作ってくれる

善玉菌が作る短鎖脂肪酸には優れた作用がある

短鎖脂肪酸というのは、有機酸と呼ばれる物質のグループで、例えば、お酢の成分である酢酸、プロピオン酸、酪酸などの種類があり、主に6つの良い作用をもたらします。

①腸内を弱酸性に保つ。その結果、悪玉菌が増えるのを抑える

酸をつくって腸内を酸性にし、酸が苦手な悪玉菌の増殖を抑えることで、食中毒菌や病原菌による感染を予防したり、腐敗産物がつくられるのを抑制します。

②腸のぜん動運動を促進する

健康な排便を促す腸管の動き。この動きは、短鎖脂肪酸のおかげ。短鎖脂肪酸は大腸の粘膜細胞のエネルギー源であり、腸管のぜん動運動を促進します。

毎日のトイレは大事!

③腸管の粘液の分泌や水やナトリウムの吸収を促す

④エネルギー源になる

短鎖脂肪酸は大腸粘膜から吸収されて、肝臓や筋肉等でエネルギー源になります。ヒトの場合は、1日に使うエネルギーの約10%は、腸内細菌が腸内でつくる酢酸がエネルギー源になっていると言われています。

エネルギーの10%は腸内細菌が作る

⑤腸のバリア機能を高める

腸の粘膜には、病原体の侵入を防ぐバリア機能がありますが、短鎖脂肪酸には腸のバリア機能を高め、病原菌やウイルスなどの外敵の侵入を防ぐはたらきがあります。

病原菌やウイルスが入りこむのを防いでくれる

⑥アレルギーから身体を守る

免疫細胞は、外から侵入してきた細菌やウイルスなどの「異物」を攻撃することによってからだを守っています。しかし免疫システムが過剰に暴走してしまうと、自分自身の組織を誤って攻撃してしまったり、本来は外敵ではない物質に過剰に反応することによってアレルギーを引き起こしたりしてしまいます。

免疫を正常に機能させて、アレルギーを防いでくれる

こういった過剰な免疫のはたらきを抑えるのが制御性T細胞であり、短鎖脂肪酸はこの細胞を増やすことによって、自分自身の組織を攻撃してしまうのを防いだり、アレルギーを起こしたりするのを防ぐことができるといわれています。

善玉菌はさらにすごい!免疫力やコレステロールにも関係

また、善玉菌には、菌そのものが腸に作用して免疫細胞を活性化して免疫機能を高めたり、コレステロールを低下させる作用もあることが報告されています。

次回は、善玉菌を増やす食事に注目!

このような様々な良い生理機能がある短鎖脂肪酸ですが、善玉菌が短鎖脂肪酸をつくるためには、その原材料になる栄養を与えてあげる必要があります。

次回は腸内の善玉菌の割合を増やし、短鎖脂肪酸やビタミンをつくってもらうためには、どのような栄養を与えればいいのか、すなわち、どういった食事を摂るよう気をつければいいのか、おはなしします♪

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